外壁リフォームにはいろいろあるのですが、
だいたいは既存の状態に準じて施工することになります。
既存の壁がどんな素材なのか、傷み具合はどうなのか、
それを考慮して、最適な施工で出来るだけ費用を押さえるというのが理想ですね。
その中で、やはり圧倒的に多いものが、塗り替え工事ではないでしょうか。
戸建て住宅でしたら、
サイディングに塗装してある外壁がとても多いですからね。
また、サイディングではなくても、ALC(へーベル)軽量コンクリート、
モルタル下地やコンクリート下地の上に塗装というものや、
亜鉛鋼板(トタン)に塗装というパターンもあります。
以上の材質などは問題なく塗装できますが、
塗装可能ではあるが注意が必要なものや、塗装できない材質もありますから、
確認しておきましょう。
新築時の外壁がアルマイト(アルミ)パネルやガルバリウム鋼板の場合も
経年後に塗装をするのが望ましいのですが、表面加工により、
塗装がよくのるものと、食いつき(密着)の悪いものがあります。
表面をざらつかせれば、塗装が問題なくできるパネルならいいのですが、
表面がツルツルで塗装がのりにくい材質だと、充分な下地処置が必要なことと、
密着性の高い塗料を使う必要があるため、工事費は若干高いです。
とはいえ、塗装がのりにくい材質は、耐久性があり高品質だと思いますので、
メンテナンスは、安価なクリーニングで済む場合もあります。
ただ、パネルのジョイント(継ぎ目)のコーキングは、経年劣化しますので、
コーキングの打ち替えは必要になりますね。
また、何かをぶつけて、あるいはぶつかって外壁にへこみや爆裂が生じたり、
台風や地震などの自然災害で割れたり剥がれたりした場合は、
部分的にしろ、張替えということになりますから、
施工面積にもよりますが、広範囲になると塗装よりも高額になるでしょう。
塗装ができない材質として、ホーローパネルと磁器タイルがあります。
キッチンなどで使用することが多いホーローパネルですが、たまに外壁に使われているのを見かけます。
これは、パネルの表面にガラス質の釉薬(ゆうやく)を塗布し高温焼成したものなので、
表面が硬いため塗装はまったくのりません。
表面が硬くツルっとしてるので汚れもつきにくいため、
よほどのことがない限り、建物の寿命が尽きるまで張替えは不要かと思います。
とはいえ、やはりメンテナンスは必要です。
耐久性、防汚性が高いとはいえ全く汚れないわけではないため、
クリーニングとコーキングの打ち替えが必要になります。
磁器タイルの場合もホーローと同じで塗装はできません。
同様に、クリーニングとジョイントコーキングの打ち替えが必要になります。
ホーローパネルと磁器タイルも鋼板と同様に、事故や災害で割れたり剥がれたりした場合には張替えになります。
壁全面張替えをおこなう場合は、かなりの高額になります。
あと、磁器タイルには、剥落の危険性という大きな問題がありますので、
これについては別のページで解説しますね。⇒タイル外壁の不安要素(リンク)
純和風家屋の多くは、外壁に土壁や漆喰(しっくい)が塗ってあります。
ミクロン単位の薄い塗料とは違って、左官職人さんが金ゴテなどをつかって
手間暇かけて塗るわけですから、塗装に比べはるかに高額になります。
土壁や漆喰の上に塗れる塗料もあるにはあるのですが、
純和風の風合いや質感など、やはり仕上がり具合はコテ塗りにはかないません。
それ以外の部位ですと、破風(はふ)や軒天、柱などの木部ですね。
これは、あく抜き、染み抜き、カビ取りなど特殊なクリーニングをしたあと、
浸透性のある木部専用の塗料を塗るのが最適な方法です。
被膜する塗料だと、いずれ剥がれてくる可能性もありますので、
浸透性の塗料が望ましいです。
まだほかにも外壁の素材、施工法はあるかと思いますが、
よく使われているものを取り上げてみました。